社長の現場日記
上部の補強金物
2014-09-08
基礎・土台との補強同様、梁「はり」(木組のうち、柱と柱をつなぐ横向きの部分。通し柱と通し柱をつなぐ梁をさらに「胴差」(どうさし)といいます)との接合も補強しなければなりません。
柱の引き抜き防止を押さえても、梁との接合が崩れれば倒壊するにきまってます。
実は、古い家ほど木と木が大工の仕事により、金物に頼らない接合をしている場合が多いのですが、さらに金物にて補強してあげると強くなります。
写真は柱と梁の補強金物取り付け状況です。
これら金物の取り付けが終わると、面材(構造用合板)による補強に入りますが、この段階で一度、補助金申請元(ここでは各務原市さん)の検査を受けます。
補強基礎コンクリート
2014-09-05
ホールダウンアンカーをとりつけましたら、補強基礎を打ちます。
従来の基礎にもアンカーを打って留めるのですが、より確実な耐力を得るため、鉄筋コンクリートの基礎を「増し打ち」します。
「増し打ち」とは、従来の基礎に鉄筋アンカーを打ち込み、コンクリートを打つことにより今ある基礎と新しい基礎を一体化させることです。
その配筋は耐震設計により決められます。
耐震金物
2014-08-06
今日も木造耐震工事のお話です。
写真は、この工事で使用する耐震補強用金物。
このうち、まずはホールダウン金物(改修用後付け用)を見ていきます。
まず、耐震改修する壁の梁・柱・土台(2階の場合は1階天井裏の梁)を施工できるよう、天井・壁・床を解体します。
この金物は、コンクリート製基礎の増し打ち補強を前提にしていますから、L字型の金物で、なおかつ基礎に絡むよう凸部分が付いています。
これを既存の柱に取り付けます。完成すると、土台に関係なく、基礎から柱を直接つなぐという構造になります。すなわち、地震時に柱が引き抜かれることを防ぎます。
阪神淡路大震災の、断層近くでよく見られた柱が引き抜かれたことによる倒壊に対する対策となります。
次回は取り付け後の工程を見ていきます。基礎と梁の納めです。
耐震工事レポート その1
2014-08-05
久しぶりの更新です。耐震工事が民間(各務原市の補助金を利用した計画)と官庁(学校)の両方開始しまして、その準備に追われ日々格闘しておりました。
どちらも夏休みが始まると同時に開始しましたが、ここでは主に民間の、「木造2階建て住宅の耐震工事」を時系列でレポートいたします。
準備としては、公募(各務原市の場合、大体毎年ゴールデンウィーク明けに第一次、秋に第二次が公募されます)前に、
【前提】昭和56年(旧耐震基準)以前に建てられた木造住宅
①耐震診断が終わっていること(市町村に申し込むと無料で受けられると思います)
②耐震診断の結果、不良だった場合に改めて耐震設計を行う(これは設計料が発生します)
③補強計画の見積もり(かなり詳細な見積もりが要求されます)
がすべて完了していることが前提です。
これらを行おうと思いますと、少なくとも前年10月には動き出したほうがいいと思います。
以上の書類を整え、市役所に提出します。各務原市の場合、一年の計画棟数が決まっていますので、希望が多い場合は抽選になりますが、春は比較的に応募数が少ないです。(チャンス!)
今回のお客様は、当社のお客様のご紹介でお会いすることができ、設計事務所も当社で紹介して、設計段階から施主さん・設計事務所・当社の3タッグで進めてきました。
耐震工事だけではなく、リフォーム工事も絡めています。
これから毎日(!できるか?がんばる!)現場リポートをお送りしますので、耐震補強工事を考えていらっしゃる方、ぜひ参考にしてください。
ちなみに、今回は耐震補強工事が350万円程度(税込)です。補助金の割合は各市町村で違いますので、あくまで参考ですが、今回は110万円ほどです。
写真は解体状況です。解体したところで設計事務所が確認し、設計図書との符合を確認、現状が図面と違っている場合は補強計画を変更して施工に指示し、工事を進めていきます。
古い家屋の場合、図面どおりに施工されてない場合も多々ありますので、設計士さんもこまめにチェックしにいらっしゃいます。
耐震金物①ホールダウン
2014-06-14
耐震金物で特に有名なのが、「ホールダウン金物」です。
阪神淡路大震災の教訓をもとに、今日ではほぼ不可欠の金物となりました。
1995年の時点で、確かに木どうしの接合の補強金物はありました。昭和56年の耐震基準改正に基づくものですが、あくまでも「木」と「木」を結ぶものでした。
1995年1月17日、阪神淡路大震災が発生し、多くの木造家屋が倒壊しましたが、その中に、土台だけ残して上部構造が倒壊する、といった事例が多くありました。いわゆる「柱がすっぽ抜けた」のです。
これを防ぐために、新たに基礎(コンクリートの部分)と柱を、土台を抜けてつなげてしまおう!と考えだされたのが、「ホールダウン金物」です。
次回は具体的に、取り付け方法を説明いたします。